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コラム

サウナに使用する木材の耐久年数とメンテナンスについて
サウナの人気は年々高まり、近年はブームから一つの文化としても定着してきているように感じています。
サウナは健康促進やリラックス効果もあることから、愛好家の間では生活に欠かせない存在となり、自宅用のプライベートサウナを導入する人も増えてきました。
自宅向けのプライベートサウナに関しても、各メーカーから様々なタイプ、仕様の商品が販売されていますが、今回はサウナに使われる木材の種類や、その耐久性、メンテナンスの方法についてご紹介していきたいと思います。

サウナ用木材に求められる条件
サウナの内装やベンチに使用される木材には、以下のような特性が求められます。
【耐熱性】:サウナ室内は80~100℃程度の高温となることから、サウナ用の木材には、熱による変形や劣化が少ないことが重要です。
【耐湿性】:特にスチームサウナや、ロウリュをおこなうタイプのサウナでは、蒸気が発生し湿度が高くなることから、湿度の変化する環境に耐えられることが重要です。
【耐腐食性】:サウナ室内は湿気が高く、カビや腐朽菌が発生しやすい環境のため、耐腐食(耐朽性)に強い木材であることが求められます。
【低熱伝導性】:ベンチやスノコ等のサウナ室内の木材は、体に直接触れる構造となるため、接触しても熱くなりすぎず、安全に使用できる木材であること。
【無毒性】:サウナに使用する木材は耐久性が重要ですが、防腐薬剤等により処理された木材のなかには、揮発物質等を発生させて、人体に有害な影響を与える可能性のある木材も存在します。安心な木材であることは絶対条件となります。
これらの条件を満たす木材として、次の項目ではサウナに適した木材とその特徴を紹介していきます。

サウナ用木材の耐久年数
木材の種類と耐久年数(寿命)の違い
サウナに使用される木材には、以下のような種類があります。それぞれの耐久年数と特性を見ていきましょう。
木材 | 耐久年数(目安) | 特徴 |
ヒノキ | 10~20年 | 耐水性が高く、香りが良い |
スプルース | 8~15年 | 比較的安価で加工しやすい |
サーモウッド | 20~30年 | 耐久性が最も高く、変形、腐食しにくい、安全性も高い |
レッドシダー | 15~25年 | 防虫・防腐性が高く、香りが良い |
アバチ | 5~10年 | 軽量で熱を持ちにくく、耐久性は低いめ |
このように、木材の種類によって耐久年数が異なります。 使用頻度や稼働時間、業態によって、どの程度の耐久性を求めるかによっても、選択が変わってきます。
サウナ施設や宿泊施設に設置するサウナでは、耐久性が重要視されるため、サーモウッドがおすすめです。
使用頻度がそれほど高くならない個人宅のプライベートサウナ等では、予算によって、ヒノキやレッドシダーのような耐久性の高い木材にするか、コストの安い木材にするかの検討も必要であると思われます。

ひのき

スプルース

サーモウッド

レッドシダー
サウナ木材の劣化について
サウナ木材の耐久性に影響を与えるものには、以下のようなものがあります。
メンテナンスの不足
毎日の清掃と、定期的なメンテナンスを怠ると、汚れや細菌が増殖し、木材の劣化を早めます。
高温と湿気
サウナは高温多湿の環境です。湿気によって木材が膨張や収縮を繰り返すことで、ひび割れや、狂いや反りの原因となります。
汗や皮脂の付着
サウナ内では、ベンチやスノコ等の木材に直接肌が触れるため、汗や皮脂が染み込みやすく、カビや黒ずみの原因になります。
換気の不足
サウナ内の湿気が適切に排出されなければ、木材が過度に湿気を吸収し、木材が膨張し内部にカビの発生を招きます。
サウナ木材のメンテナンス方法
1. 日常的なメンテナンス
- 使用後の換気
サウナを使用した後は、ドアを開けて換気し、湿気を逃がしましょう。 - 簡単な拭き掃除
汗や皮脂が木材に染み込むのを防ぐため、乾いた布または軽く湿らせた布で拭きます。
2. 定期的なメンテナンス(週1回~月1回)
- ぬるま湯での拭き掃除
汚れが気にされていましたら、ぬるま湯を使って優しく拭きます。 - 重曹や酢を使った掃除
汚れや臭いが気になる場合は、水に溶かした重曹やお酢(1:10の割合)で拭き取ると効果的です。
3. 年に数回の徹底メンテナンス(3~6か月ごと)
・防カビ・防菌対策
木材用のカビ防止剤や天然オイル(ヒバ油など)を塗布すると、カビや菌の発生を抑えられます。
・サンドペーパー掛け
黒ずみや表面の汚れが落ちなくなったら、目の細かいサンドペーパー(#180~#240程度)で軽く研磨すると、新しい木肌が出てきます。
その後に、自然素材のクリアー撥水塗装で仕上げるのが理想的です。
木材の交換時期の目安
サウナに使われる木材は、適切にメンテナンスすれば10年以上使用できるものがほとんどですが、次のようなサインが見られたら交換も検討しましょう。
交換が必要
- ひび割れやささくれが目立つ
ひび割れやささくれが起こると、怪我の恐れがあるため、表面が劣化している場合は交換が必要です。 - 黒ずみやカビが除去できない
研磨しても黒ずみやカビが落ちない場合は、内部まで細菌が木材に浸透している可能性があります。 - 異臭がする
いくら掃除しても臭いが取れない場合は、木材が腐食している可能性があります。 - 触ると柔らかい部分がある
木材が劣化し、もろくなっている証拠です。
交換の頻度
- ベンチ材(座る部分):3~10年ごと
- 壁材・天井材:10~20年ごと
- 床材(スノコ):5~10年
使用頻度や日頃のお手入れ、メンテナンス状況によっても変わるため、定期的に状態をチェックすることが重要です。
ベンチ部材や、床材については、スノコ状に分割して交換が可能な形状にしておくと、傷んだ部材のみ交換することも可能なため、交換費用も抑えられるのでお勧めです。

まとめ
サウナ用木材の耐久年数は、木材の種類やメンテナンスの頻度によって大きく異なります。
使用頻度を考慮して最適な木材を使用して、定期的なお手入れとメンテナンスを継続することで、木材を長持ちさせ、快適なサウナ空間を長くお楽しみください。