COLUMN

コラム

サウナ用の木材を選ぶのに重要なことは?

近年、都市部を中心にサウナ施設の新設や住宅へのサウナルームの導入が進み、空間設計における「サウナ内装材選び」が大きなテーマとなっています。高温多湿あるいは高温乾燥という特殊な環境下において、どのような木材が快適性・安全性・耐久性を担保できるのか——素材選定の重要性はこれまで以上に高まっていると言えるでしょう。

サウナに適した木材に求められる5つの条件

  • ・断熱性が高く、熱くなりすぎない
  • ・膨張・収縮が少なく、寸法安定性に優れる
  • ・ささくれが出にくく、肌への刺激が少ない
  • ・香りや質感により、リラックス空間を演出できる
  • ・カビや腐朽に強く、清潔さを保ちやすい

熱処理木材「サーモウッド」の特徴

高温の水蒸気環境下で木材を一定時間処理することで、内部の水分や樹脂成分を減少させ、寸法安定性や耐腐朽性を高めた木材が「サーモウッド」です。薬剤を使用しないため、健康や環境への配慮という点でも評価されています。

通常の木材と「サーモひのき」の比較

比較項目通常の木材サーモひのき
熱伝導性やや高い(触れると熱くなる)低い(火傷しにくい)
寸法安定性膨張・収縮が大きい変形が少ない
耐久性腐りやすい腐りにくい
安全性ささくれやすい滑らかで安心

「サーモひのき」の特徴と利点

  • 熱くなりにくく安心

断熱性が高く、肌が直接触れても火傷のリスクが低減されます。

  • 湿度変化に強い

寸法安定性が高く、反り・割れが起こりにくいため長期間使用可能です。

  • 安全な表面

ささくれが出にくく、素肌にやさしい質感です。

  • 穏やかな香り

ひのき特有の香りがまろやかで落ち着いた空間を演出します。

  • 耐腐朽性の向上

カビや腐朽への耐性があり、清潔で長持ちします。

まとめ

サウナ空間において、木材の選定は快適性、安全性、耐久性を左右する極めて重要な要素です。「サーモひのき」は、日本の伝統素材であるひのきに熱処理技術を加え、現代のサウナに求められる性能を実現した新しい選択肢と言えます。木材本来のぬくもりと機能性を両立させたいと考える方にとって、検討する価値のある素材のひとつです。

サウナ用木材「サーモひのき」

国産材を使うという選択肢の意味

サウナに使われる木材として、これまで多くは海外からの輸入材が主流でした。しかし、近年は持続可能な資源活用や地域経済への貢献といった観点から、国産材の活用に注目が集まっています。「サーモひのき」は、国内で育ったひのきを使用し、日本国内で加工・熱処理されています。輸送にかかるエネルギーが抑えられるため、環境負荷も低減できます。また、国内林業の支援、地域雇用の創出にもつながり、SDGs(持続可能な開発目標)にも合致した素材選定が可能です。

公共施設や住宅に導入する際のメリット

「サーモひのき」は、公共施設やホテル、スパ施設など不特定多数が利用する空間においても、高い評価を得ています。ささくれが出にくく肌触りもやさしいため、安全性が問われる場所でも安心して使える点が魅力です。また、香りの強さが抑えられているため、多くの人が利用する空間でも不快感がなく、誰もがリラックスできる空間を演出できます。一方で、個人宅の住宅用サウナにおいても、その断熱性と香りのバランス、長寿命とメンテナンスのしやすさから、導入事例が増えています。

設計・施工現場での扱いやすさ

「サーモひのき」は、熱処理によって木材が安定しているため、加工時の反りや割れが少なく、現場での取り扱いがしやすい点も特筆すべき点です。寸法の精度が高いため、事前に工場加工して納品するプレカット方式との相性も良く、工期短縮にもつながります。また、従来のひのき材と同様に、切削・接合・釘打ちなども問題なく行えるため、特別な施工技術を必要とせず、既存の工法のままで導入可能です。

利用者の声から見える魅力

「サーモひのき」は、実際にサウナ施設や個人宅サウナで導入された事例も多く、特に「肌ざわりがやさしく長時間座っていても快適」「香りが穏やかで集中できる」といった使用者の声が寄せられています。温浴施設など、利用頻度の高い現場でも耐久性に優れており、導入後のメンテナンス工数が減ったとの評価も見受けられます。

素材開発に込められた技術と工夫

「サーモひのき」は、弊社が長年にわたって培った製材技術と熱処理技術を組み合わせて製造しています。通常のひのきと異なり、200℃前後の高温環境下で木材を無薬剤で安定化させる処理工程は、精緻な温度・湿度管理と専門的なノウハウを必要とします。また、使用する原木も国産材の中から厳選された品質の高いものを使用しており、安定した供給体制も確立されています。

建築・温浴業界からの評価

公共施設、宿泊施設、スパ施設など、国内の各種サウナ空間での採用実績があり、建築設計事務所やサウナメーカーなどプロフェッショナルからも高く評価されています。特に、国産材によるサステナブルな素材活用や、施工後の安定性の高さが、信頼の理由とされています。

他のサウナ用木材との比較

サウナに使われる木材としては、海外産ではフィンランド産バスウッド(シナノキ)、アスペン(ハンノキ)、カナダ産のレッドシダーなどが代表的です。これらは熱伝導性が低く、比較的軽量で肌触りが柔らかいため、長らく人気があります。

一方、「サーモひのき」は、日本の気候に合った木材をベースに、熱処理によって寸法安定性や耐久性を高めたものです。天然素材の美しさを残しながらも、割れや反りを抑えた高機能素材として、国産材ならではの香りや風合いが特徴です。

木材種熱伝導性香りの特徴寸法安定性
フィンランド産バスウッド低いほぼ無臭比較的高い
アスペン(ハンノキ)低い無臭に近いやや高い
レッドシダー中程度強い芳香比較的安定
「サーモひのき」低い穏やかで心地よい香り非常に高い
一覧へ戻る

お問合せ・サンプル請求・価格表は
こちら