COLUMN
コラム

サウナ室内のベンチの板の隙間は必要か?
快適さと衛生、デザイン性を両立するために考えたい設計ポイント
サウナ室内のベンチにおける「板の隙間」の有無。これは意外にも、好みや考え方がはっきり分かれるテーマです。
空気や湿気の流れを大切にする“隙間あり派”と、見た目や快適性を重視する“隙間なし派”。
どちらも魅力的な理由があり、個人的な感覚にも左右される面があります。ここでは両者の意見を比較しながら、素材選びにも触れてみましょう。
隙間あり派の考え方

「通気性が大切」「カビや臭いが心配」「掃除がしやすい方が良い」といった衛生的な理由から隙間を支持する方が多いです。
とくにジムや温浴施設のように不特定多数が利用する空間では、隙間による通気の確保が施設全体の快適さに直結します。
実際に隙間があることで得られるメリット:
- – 湿気がこもらず、ベンチ下が乾きやすい
- – 汗や水滴が落ちるため清掃が簡単
- – 蒸れにくく、木材の劣化が抑えられる
筆者の個人的な感覚としても、「少しの隙間があるほうが、息苦しさが軽減される」ように感じます。
通気性の良いベンチは、体感温度も柔らかくなる印象です。
隙間なし派の考え方

一方で、「木のぬくもりをしっかり感じたい」「フラットな座面が美しい」と考える方は隙間なしを好みます。
高級感を重視する個人サウナやホテルサウナでは、板がぴったり揃った滑らかな仕上がりが求められます。
隙間をなくすことによるメリット:
- – 肌に段差が当たらず快適に座れる
- – タオルや小物が挟まる心配がない
- – デザイン性が高く、高級感のある印象
個人的にも、「隙間なしのベンチで静かに座っていると、木に包まれているような感覚になる」ことがあります。
この“ぴったり感”が心地よさを引き出すと考える人も多いようです。
隙間あり/隙間なしの比較表
比較項目 | 隙間あり | 隙間なし |
通気性 | ◎ 良い | △ 通気確保に工夫が必要 |
掃除のしやすさ | ◎ ゴミが落ちやすい | △ 表面を丁寧に拭く必要あり |
座り心地 | ◯ 通気はあるが段差が気になる場合も | ◎ フラットで肌にやさしい |
見た目 | ◯ 素朴・ナチュラル | ◎ 高級感が出やすい |
安全性 | △ 指やタオルが挟まる可能性あり | ◎ 安全性が高い |
どちらの設計にも合う「サーモひのき」
隙間の有無にかかわらず、サウナベンチの木材には「熱くなりにくく、ヤニが出にくい」素材が必要です。
国産ひのきをサーモウッド(水蒸気式高温熱処理)した「サーモひのき」は、その点で非常に優秀です。
例えば、隙間なしで施工しても、「サーモひのき」は寸法安定性が高いため、木が反りにくく、美しい仕上がりを長く保てます。
また、隙間あり構造でも、熱のこもりが少ないので、快適性を高めてくれます。
まとめ:隙間の有無に正解はない
「隙間があるほうが好き」「隙間はない方が落ち着く」――どちらもその人の価値観と、施設の運用スタイルに合った選択肢です。
大切なのは、構造に見合った素材選びと、空間全体の調和。「サーモひのき」のように、どちらの施工にも柔軟に対応できる素材があることで、理想のサウナ空間がぐっと近づきます。