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コラム
高温多湿環境で木材が割れる原因|サウナ・屋外で起きるトラブルと対策
高温多湿環境で木材が割れる主因は「急激な乾湿変化」と「内部応力の偏り」であり、適切な乾燥・材質選定で大幅に防げる。
なぜ高温多湿で木材は割れるのか
1. 含水率の急激な変化
木材は湿気を吸収・放出する性質(調湿性)を持ちます。
高温環境では急速に乾燥し、内部と表面で水分差が生まれます。
→ この差が「引っ張り応力」を生み、割れの原因になります。
2. 表面と内部の収縮差
表面は先に乾き、内部は湿ったまま残るため、
- 表面:収縮
- 内部:膨張状態
という不均衡が起き、結果として「ひび割れ(チェック)」が発生します。
3. 繊維方向による割れやすさ
木材は繊維方向(木目)に沿って割れやすい特性があります。
特に以下の部位は注意が必要です:
- 木口(断面)
- 節周辺
- 柾目と板目の境界
木材別の割れやすさ比較
スギ・ヒノキ(無処理材)

- 柔らかく調湿性が高い
- 乾燥変化に敏感
- 高温環境では割れやすい
ウエスタンレッドシダー

- 軽く安定性は比較的高い
- ただし乾燥が急激だと割れは発生
- 表面割れが出やすい傾向
ハードウッド(イペ・ウリン等)

- 密度が高く割れにくいが…
- 一度割れると大きく深い
- 内部応力が強くリスクが高い場合もある
設計・耐久・安全の観点から
1. 含水率管理が最重要
施工時の含水率が高いと、
- 使用中に乾燥収縮
- 割れ・反り・隙間発生
が必ず起きます。
目安
- 屋内材:10〜15%
- サウナ材:さらに低い方が理想
2. 木口処理の有無
木口は水分の出入りが最も激しい部分です。
対策:
- 木口シーラー塗布
- 設計時に露出を減らす
3. 通気設計が割れを左右する
意外と重要なのが「裏面の通気」です。
- 通気なし → 湿気滞留 → 不均一乾燥 → 割れ
- 通気あり → 均一乾燥 → 安定
特にサウナでは、
- ベンチ裏
- 壁内部
の通気設計が品質を左右します。
4. 高温環境特有のリスク(サウナ)
サウナでは以下が同時に発生します:
- 高温(80〜100℃)
- 高湿(ロウリュ)
- 急乾燥
これは木材にとって最も過酷な条件の一つです。
なぜ「サーモひのき」は割れにくいのか

熱処理による「含水率の安定化」
サーモひのきは高温熱処理により、
- 水分を保持しにくい構造へ変化
- 吸湿・放湿の振れ幅が小さい
→ 乾湿変化による割れが起きにくい
内部応力の軽減
通常の木材は乾燥過程で内部応力が残りますが、
サーモ処理では
- 成分変化
- 応力の再分配
が起き、割れの原因そのものが低減されます。
寸法安定性の向上
- 収縮率が小さい
- 反り・ねじれも抑制
結果として、
長期使用でも見た目・安全性が維持される
サウナ用途での実際の差
一般材:
- 数ヶ月〜数年で割れ・毛羽立ち
- 交換・補修が必要
サーモひのき:
- 長期にわたり安定
- メンテナンス負担が軽減
よくある誤解
「湿気が多いから割れない」は間違い
実際は、
- 湿気 → 吸水
- 高温 → 急乾燥
この繰り返しで「最も割れやすい環境」になります。
「硬い木ほど割れない」も半分誤解
硬い木材は
- 割れにくいが
- 割れると深刻
という特徴があります。
施工・設計でできる割れ対策まとめ
- 乾燥済み材を使用する
- 木口処理を行う
- 通気を確保する
- ビス位置を適切にする
- 過度な締結を避ける
- 材料選定を見直す(最重要)
まとめ
高温多湿環境での木材割れは避けられない現象ではなく、
「乾湿変化の制御」と「適切な材選び」によって大きく抑えることができます。
特にサウナのような過酷環境では、
材料選定がそのまま耐久性・安全性・維持コストに直結します。
サウナ木材で失敗したくない方へ
サウナ用木材の選定や仕様検討については、
用途・設計に応じた最適なご提案が可能です。
「割れにくい木材を選びたい」
「長く使える仕様にしたい」
といったご相談は、お気軽にお問い合わせください。
山一製材株式会社