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サウナ用木材に「サーモひのき」が選ばれる理由


サウナ用木材「サーモひのき」の画像
高級感あふれる褐色のサウナ用木材「サーモひのき」

この記事の要点

サウナ用木材は、見た目や価格だけで選ぶものではありません。高温・高湿という特殊な環境では、耐朽性・寸法安定性・安全性・メンテナンス性が、施設の品質やランニングコストを大きく左右します。

この記事では、木材専門会社の視点から、サウナ用木材に必要な性能と、近年採用が増えているサーモひのきが評価される理由を解説します。

この記事のポイント

  • サウナ室は木材にとって最も過酷な使用環境の一つ
  • 良いサウナ用木材には「耐朽性」「寸法安定性」「ヤニの少なさ」などが求められる
  • 初期価格だけでなく、長期的な維持管理コスト(LCC)で比較することが重要
  • サーモひのきは薬剤を使用せず、高温熱処理によって耐久性・寸法安定性を高めた国産ヒノキ
  • 設計・施工・維持管理まで考えた材料選びが、施設価値を長く維持するポイント

結論|サウナ用木材選びは「何年使うか」で考える

「サウナ用木材は何を選べばよいですか?」

これは、設計事務所や施工会社、サウナ施設オーナーの方からよくいただくご質問です。

結論からお伝えすると、サウナ用木材は「何年使い続けることを想定するか」を基準に選ぶことが重要です。

木材は天然素材であり、種類によって性質は大きく異なります。一般住宅では問題にならない性能差も、80〜100℃前後の高温環境と繰り返される湿度変化の中では、数年後の状態に大きな差となって現れます。

例えば、

  • ベンチからヤニが出る
  • 羽目板が反って隙間ができる
  • 黒ずみが目立ち始める
  • スノコの交換時期が早まる
  • 清掃や補修の手間が増える

こうした現象は、木材そのものの性能だけでなく、材料選定や設計段階である程度予測できるケースも少なくありません。

そのため現在では、価格だけではなく、

  • 耐朽性
  • 寸法安定性
  • 安全性
  • メンテナンス性
  • 美観の維持

まで含めて木材を比較検討することが、施設の資産価値を維持するうえで重要視されています。


目次

  1. サウナ室は木材にとって最も過酷な環境
  2. サウナ用木材に必要な性能とは
  3. なぜサーモひのきが選ばれるのか
  4. 実際の施工会社から寄せられた評価
  5. 木材別比較
  6. 設計時によくある失敗例
  7. 設計・施工時のポイント
  8. FAQ
  9. まとめ

サウナ室は木材にとって最も過酷な環境

木材は本来、とても優れた建築材料です。

しかし、サウナ室は木材にとって極めて特殊な環境であり、一般住宅の内装とは比較にならないほど厳しい条件にさらされます。

サウナ室では、

  • 室温80〜100℃
  • ロウリュによる急激な湿度変化
  • 営業終了後の急速な冷却
  • 汗や皮脂、水分の付着
  • 日々の水洗い・清掃

といった負荷が毎日繰り返されます。

木材は湿度によって伸縮する性質を持つため、このような環境では、樹種や処理方法によって耐久性に大きな差が生まれます。

実際の施工現場では、

  • 羽目板の反り
  • ベンチ材の割れ
  • ヤニの発生
  • 黒ずみ
  • スノコの劣化
  • ビス周辺からの傷み

などが、数年後の改修理由になることも少なくありません。

つまり、サウナ用木材は「施工時にきれい」であることよりも、「数年後も美しく、安全に使い続けられるか」が重要なのです。


サウナ用木材に求められる6つの性能

サウナ用木材に必要な耐朽性・寸法安定性・ヤニ抑制・黒ずみ抑制・安全性・メンテナンス性
サウナ用木材は、見た目や価格だけでなく、耐朽性・寸法安定性・安全性・メンテナンス性を総合的に比較することが重要です。

サウナ専用木材を選ぶ際には、少なくとも次の6つの性能を確認することをおすすめします。

① 耐朽性

高温・高湿環境では、木材内部に湿気が滞留しやすくなります。

耐朽性が低い木材では、見た目に異常がなくても内部から劣化が進行することがあります。

特に商業施設では営業日数が多く、家庭用サウナよりも過酷な使用条件となるため、耐朽性は重要な判断基準になります。


② 寸法安定性

木材は吸湿・乾燥を繰り返すことで伸縮します。

寸法安定性が低い場合、

  • 羽目板の隙間
  • ベンチ材の反り
  • ビス浮き
  • 段差

などが発生しやすくなります。

施工直後は美しくても、数年後の仕上がりに大きな差が出るポイントです。


③ ヤニの発生を抑えること

ヒノキをはじめとする針葉樹は、天然の樹脂成分(ヤニ)を含んでいます。

香りや耐久性に寄与する一方で、高温環境ではヤニが表面ににじみ出ることがあります。

ヤニは、

  • 見た目を損ねる
  • ベンチに付着する
  • 清掃の手間が増える

といった理由から、施設運営ではできるだけ抑えたい要素です。


④ 黒ずみを抑えること

サウナ室では湿気と温度の影響により、木材表面に黒ずみが生じることがあります。

黒ずみは構造上すぐに問題になるとは限りませんが、利用者が最初に目にする「清潔感」に大きく影響します。

特にラグジュアリーホテルや高級スパでは、美観の維持も重要な品質の一つです。


⑤ 肌触りと安全性

サウナでは利用者がベンチや背もたれに直接触れます。

そのため、

  • 熱を伝えにくい
  • ささくれが出にくい
  • 表面が滑らか

といった性質も重要です。

木材は金属より熱伝導率が低く、触れた際の快適性に優れていますが、樹種や乾燥状態によって肌触りは異なります。


⑥ メンテナンス性

営業施設では、木材そのものの価格よりも、

  • 清掃時間
  • 部分補修
  • 材料交換
  • 営業停止期間

といった維持管理コストが大きく影響します。

近年では、初期費用だけではなく、10年・20年単位のライフサイクルコスト(LCC)で木材を選定する設計者が増えています。


なぜサウナ用木材に「サーモひのき」が選ばれるのか

「サーモひのき」を使用したサウナ内装とベンチ
ヒノキ特有の香りがリラックス効果を高める

サーモひのきは、国産ヒノキに高温の水蒸気を用いたサーモウッド処理を施したサウナ用木材です。

薬剤や防腐剤を使用するのではなく、熱と水蒸気によって木材の性質を変化させることで、無処理のヒノキが持つ美しさや肌触りを生かしながら、サウナ室で求められる性能を高めています。

サーモひのきが選ばれる主な理由は、次のとおりです。

  • 国産ヒノキならではの木目と香りがある
  • 高温・高湿環境での寸法変化を抑えやすい
  • ヤニの発生を抑えやすい
  • 黒ずみや腐朽の進行を抑える効果が期待できる
  • 薬剤不使用のため、サウナ室内で採用しやすい
  • 壁・天井・ベンチ・スノコ・枠材まで統一できる
  • ラグジュアリー施設に求められる意匠性と実用性を両立しやすい

ただし、サーモひのきであれば、どのような設計や施工でも長持ちするというわけではありません。

木材の性能を十分に引き出すためには、適切な換気計画、下地構造、目地、固定方法、清掃方法まで含めて考える必要があります。

サーモひのきは「施工上の問題をすべて解決する材料」ではなく、適切な設計・施工と組み合わせることで、耐久性や美観を高めやすい材料と考えるのが適切です。


サーモウッド処理とは?

国産ヒノキを約220℃の高温水蒸気で熱処理してサーモひのきにする工程
サーモひのきは、国産ヒノキを高温の水蒸気で熱処理し、薬剤を使わずに寸法安定性や耐朽性を高めた木材です。

サーモウッド処理とは、木材を高温の水蒸気環境で加熱し、木材内部の性質を変化させる処理方法です。

一般的な防腐注入材のように薬剤を木材内部へ注入するのではありません。

高温熱処理によって木材の吸湿性が低下するため、湿度変化による膨張や収縮が起こりにくくなり、寸法安定性の向上が期待できます。

また、腐朽菌が栄養源として利用する木材内部の成分が変化することで、耐朽性も高まります。

サウナ室では、高温と湿度変化が繰り返されるため、この寸法安定性と耐朽性が大きな利点になります。


国産ヒノキの意匠性を生かせる

サウナ用木材には、アスペン、スプルース、レッドシダーなど、さまざまな輸入材も使用されています。

それぞれに優れた特徴がありますが、国内のホテルや旅館、温浴施設では、国産ヒノキの木目や香りを好む設計者・施主も少なくありません。

ヒノキには、

  • 日本らしい上質感
  • 旅館やホテルの空間になじむ意匠性
  • 清潔感を感じさせる明るい木肌
  • 利用者が理解しやすい素材価値

があります。

サーモウッド処理後は、無処理のヒノキよりも落ち着いた褐色系の色味になります。

この深みのある色合いは、照明を抑えたサウナ室や、ラグジュアリーホテル、スパ・ウェルネス施設の内装とも相性がよく、高級感のある空間をつくりやすい特徴があります。

サウナ 天井 設計 に適した木材 サーモひのき ベンチ
寸法安定性と耐久性を両立

ヤニの発生を抑えやすい

ヒノキやスギなどの針葉樹には、天然の樹脂成分が含まれています。

この樹脂は木の香りや耐久性に関係する一方、高温のサウナ室では表面ににじみ出ることがあります。

特にベンチ、背もたれ、壁の一部では、ヤニが利用者の肌やタオルに付着すると、施設側へのクレームにつながる可能性があります。

サーモウッド処理では、高温処理の過程で木材内部の揮発成分や樹脂成分が減少するため、無処理材と比較してヤニの発生を抑えやすくなります。

完全に発生しないと断定できるものではありませんが、サウナ用途では大きな実務上の利点です。


寸法変化を抑え、仕上がりを維持しやすい

サウナ室の施工では、完成直後の美しさだけでなく、使用開始後に羽目板やベンチがどのように変化するかが重要です。

木材の収縮や膨張が大きいと、

  • 羽目板に隙間ができる
  • 実部分が外れる
  • 壁面に波打ちが生じる
  • ベンチ材が反る
  • スノコにガタつきが出る
  • ビス周辺に割れが発生する

といった不具合につながります。

サーモひのきは無処理のヒノキよりも吸湿性が抑えられているため、温度・湿度変化による寸法変化を小さくしやすい木材です。

特に営業日数の多い温浴施設やホテルでは、寸法安定性の差が、数年後の補修回数や美観に影響します。


施工を終えたプロから評価された品質と仕上がり

サウナ用木材を比較する際は、カタログ上の性能だけでなく、実際に施工した設計者や施工会社がどのように評価しているかも重要です。

サーモひのきを採用いただいたお客様から、次のような声をいただきました。

『 実際に施工を終えて改めて感じたのは、品質の素晴らしさです。
色味や木目の美しさはもちろん、仕上がりも非常に良く、
自信を持って採用できる材料だと実感しました。』

さらに、今後の採用についても、次のように評価いただいています。

『 今後もラグジュアリーホテルやスパ・ウェルネス施設を中心に、
積極的に御社のサーモ桧をご紹介していきたいと考えております。』

施工会社から品質と仕上がりを評価されたサーモひのきのサウナ施工事例
施工を終えた専門家から、色味・木目・仕上がりについて高い評価をいただいた施工事例です。

サウナ用木材は、納品時の見た目だけでは評価できません。

実際に加工・施工し、壁や天井、ベンチなどが完成した段階で、

  • 色味が空間デザインに合うか
  • 木目の見え方が美しいか
  • 加工後の仕上がりが安定しているか
  • 施主に自信を持って提案できるか

が判断されます。

施工を終えた専門家から「自信を持って採用できる」と評価されたことは、サーモひのきの意匠性と実務性を示す一つの参考事例です。

特に、ラグジュアリーホテルやスパ・ウェルネス施設では、木材の価格だけでなく、空間全体の質感、ブランドイメージ、清潔感、経年変化まで含めて評価されます。

そのため、設計意図を損なわず、施工後も高い完成度を得やすいことは、材料選定における重要な判断材料になります。


サウナ用木材を比較|サーモひのきと代表的な木材の違い

サウナ用木材には、それぞれ異なる長所と短所があります。

特定の木材がすべての施設に最適とは限りません。施設のコンセプト、予算、使用頻度、清掃方法、求める意匠性に応じて選ぶことが重要です。

木材・処理方法耐朽性寸法安定性ヤニ対策意匠性・香り主な特徴
無処理ヒノキ比較的高い標準的注意が必要非常に高い国産材らしい香りと明るい木肌が魅力
無処理スギ標準的標準的比較的少ない高い軽量で加工しやすく、やわらかな質感
レッドシダー比較的高い比較的高い比較的少ない高い色幅があり、海外サウナでも採用例が多い
アスペンやや低い標準的少ない穏やか淡色で熱を伝えにくく、ベンチ材に使いやすい
スプルース標準的標準的注意が必要穏やか明るい色合いで、北欧系サウナに使われる
防腐・薬剤処理材処理により高い製品による製品による製品によるサウナ室内では薬剤や使用条件の確認が必要
輸入熱処理材高い高い少ない樹種による性能が安定しやすいが、供給や規格確認が必要
サーモひのき高い高い抑えやすい非常に高い国産ヒノキの意匠性と熱処理木材の性能を両立
サーモひのき・無処理ヒノキ・スギ・レッドシダー・アスペン・輸入熱処理材の性能比較
サウナ用木材には、それぞれ異なる長所があります。施設の用途、意匠、使用頻度、維持管理方法に合わせた選定が必要です。

※評価は一般的な傾向です。木材の等級、乾燥状態、加工方法、使用部位、換気、清掃方法によって変わります。


無処理ヒノキが適しているケース

無処理ヒノキは、ヒノキ本来の明るい色合いや香りを最優先したい場合に適しています。

家庭用サウナや使用頻度の低い施設、定期的な点検・補修が可能な施設では、有力な選択肢です。

一方で、ヤニ、黒ずみ、寸法変化については、設計時に十分な検討が必要です。


輸入材が適しているケース

アスペンやスプルースは、淡い色調や北欧サウナらしい雰囲気を求める場合に向いています。

レッドシダーは、独特の色幅や香りがあり、意匠性を重視する施設で採用されています。

ただし、輸入材は為替、輸送、調達時期、規格変更などの影響を受けることがあります。

長期運営する施設では、将来の部分交換に備えて、継続調達のしやすさも確認しておく必要があります。


防腐注入材・薬剤処理材を使用する際の注意点

防腐注入材や薬剤処理材は、屋外用途では有効な選択肢ですが、サウナ室内での使用には慎重な確認が必要です。

高温環境で使用するため、

  • 使用薬剤の種類
  • メーカーが認める使用温度
  • 人が直接触れる用途への適否
  • 室内使用の可否
  • 臭気や揮発成分

を確認する必要があります。

耐久性だけで判断せず、メーカーの仕様書や安全資料を確認したうえで採用することが重要です。


サウナ用木材選びでよくある失敗例

サウナ用木材の反り・ヤニ・黒ずみ・腐朽・交換困難を防ぐ改善策
材料性能だけでなく、換気、乾燥、固定方法、交換性まで考えることで、サウナ室の早期劣化を防ぎやすくなります。

失敗例1|見積価格だけで木材を決める

初期価格が安い木材を採用しても、短期間で補修や交換が必要になれば、結果的に総コストが高くなります。

商業施設では、材料費以外にも、

  • 解体費
  • 再施工費
  • 廃材処分費
  • 休業中の機会損失
  • 利用者への告知費用

が発生します。

材料を比較する際は、納入価格だけでなく、10年程度の維持管理費まで想定することが重要です。


失敗例2|壁・天井・ベンチを同じ基準で選ぶ

サウナ室の部位によって、木材にかかる負荷は異なります。

ベンチやスノコは、人が直接触れ、汗や水分が付着しやすいため、安全性・肌触り・交換性が重要です。

壁や天井では、寸法安定性、反り、羽目板の納まり、美観が重視されます。

枠材やかまちでは、強度や固定方法、建具との取り合いも重要です。

すべての部位を同じ材料、同じ厚み、同じ固定方法で設計すると、使いにくさや早期劣化につながる可能性があります。


失敗例3|換気設備があれば木材は乾くと思い込む

換気設備が設置されていても、壁内、ベンチ下、スノコ下に空気が流れなければ、木材は十分に乾燥しません。

特に注意したいのは、

  • ベンチを壁に密着させる
  • スノコを固定して取り外せない
  • 壁下部の通気をふさぐ
  • 清掃後すぐに室内を密閉する
  • 排気口付近に荷物や造作物を設置する

といったケースです。

耐久性の高いサウナ用木材を使用しても、水分が滞留する設計では劣化を早めることがあります。


失敗例4|羽目板を強く突き付けて施工する

木材は乾燥材を使用しても、完全に伸縮しないわけではありません。

羽目板を強く突き付けて施工すると、湿度変化による膨張の逃げ場がなくなり、浮きや反りの原因になります。

施工時は、木材の含水状態、施工環境、羽目板形状を考慮し、適切なクリアランスを確保します。


失敗例5|ベンチ材の角やビス処理が不十分

ベンチや背もたれは、利用者の肌が直接触れる場所です。

角が鋭い、ビス頭が露出している、割れやささくれがあると、火傷やけがの原因になります。

施工時には、

  • 角を面取りする
  • ビス頭を表面に出さない
  • 金物に直接触れない納まりにする
  • 木裏・木表や木目を確認する
  • 使用前に表面を点検する

ことが重要です。


失敗例6|将来の交換方法を考えていない

サウナ室では、すべての部位が同時に劣化するわけではありません。

一般的には、壁や天井よりも、汗や水分が付着するベンチ、スノコ、背もたれの方が早く傷みやすい傾向があります。

そのため、

  • スノコを取り外し式にする
  • ベンチ天板を部分交換できる構造にする
  • 点検口を設ける
  • ビス位置を把握できるようにする
  • 将来入手できる規格材を選ぶ

といった工夫が、改修費用の削減につながります。


サウナ室を長持ちさせる設計・施工のポイント

サウナ室の壁・天井・ベンチ・可動スノコ・給気・排気を示した設計断面図
サウナ用木材の耐久性を引き出すには、給排気、ベンチ下の通気、可動スノコ、交換しやすい構造まで含めた設計が重要です。

用途ごとに木材を使い分ける

サーモひのきは、次のような用途に使用できます。

  • 壁用羽目板
  • 天井用羽目板
  • ベンチ材
  • 背もたれ
  • スノコ
  • かまち
  • 窓枠・ドア枠
  • 下地材
  • 見切材

ただし、同じ樹種でも、使用部位によって必要な厚みや断面寸法は異なります。

ベンチでは、強度、たわみ、下地間隔、利用人数を考慮する必要があります。

壁や天井では、下地ピッチ、羽目板の厚み、実形状、固定方法、熱による変形を確認します。

製品名だけで指定するのではなく、「どの部位に、どの断面寸法で、どのように使うか」まで仕様書に明記することが重要です。


ベンチの基本寸法を確認する

サウナベンチは、施設のコンセプトや利用人数によって異なりますが、一般的な検討目安として、1人あたり600〜800mm程度の幅を確保すると、ゆとりのある設計になります。

座面奥行きは、座り方や横になる利用を想定して決めます。

上段ベンチから天井までの距離が大きすぎると、利用者の頭部が温度の高い位置に届かず、室内上部に熱が滞留します。

一般的には、上段ベンチ面から天井まで約1.2m以内を一つの目安とし、サウナの種類や温度設定に合わせて調整します。


給気・排気を木部の乾燥まで含めて考える

換気は、利用者へ新鮮な空気を供給するだけでなく、木材を乾燥させる役割もあります。

給気はストーブ付近、排気は対面側に設ける方法が一般的ですが、ストーブの種類や施設条件によって適切な位置は異なります。

重要なのは、サウナ室全体に空気が流れ、ベンチ下やスノコ周辺にも湿気が滞留しにくい構造にすることです。

営業終了後に十分な換気・乾燥時間を確保する運用も欠かせません。


可動式スノコ・ベンチを検討する

スノコを取り外せる構造にすると、

  • 床面を清掃しやすい
  • 木材の裏面を乾燥させやすい
  • 腐朽や割れを点検しやすい
  • 部分交換しやすい

という利点があります。

ベンチも、天板や一部の部材を交換できる構造にしておくことで、全面改修を避けられる可能性があります。

公共施設や商業施設では、清掃担当者の作業性まで考慮して設計すると、長期的な維持管理がしやすくなります。


金物は高温・高湿環境を考慮する

ビスや金物は、サウナ用木材の性能とは別に検討が必要です。

湿気や清掃水の影響を受けるため、一般的には耐食性の高いステンレス製ビスが適しています。

ただし、ステンレスであっても、材質、設置位置、異種金属との接触、使用薬剤によって腐食条件は変わります。

金物が利用者の肌に触れないよう、露出位置にも注意します。


木口・切断面・下穴処理を丁寧に行う

木材の割れは、木口やビス周辺から発生しやすい傾向があります。

特にサーモウッド処理材は、無処理材と比較して硬さや粘りが変化することがあるため、施工前に端材で加工性を確認すると安心です。

施工時は、

  • 必要に応じて下穴をあける
  • 木口付近のビス位置を避ける
  • 過度な締め付けをしない
  • 切断面を滑らかに仕上げる
  • 角部を面取りする

といった基本作業が、割れやささくれの防止につながります。


サーモひのきは初期価格よりライフサイクルコストで考える

熱処理木材は、無処理材よりも初期価格が高くなる傾向があります。

そのため、見積段階では「高価な材料」と判断されることがあります。

しかし、商業施設では、材料価格だけでなく、

  • 清掃負担
  • 黒ずみへの対応
  • 研磨回数
  • 部分交換の頻度
  • 全面改修までの期間
  • 休業による損失

まで含めて比較する必要があります。

例えば、初期価格を抑えた結果、短期間でベンチやスノコの交換が必要になれば、材料費以外の工事費や休業損失が発生します。

一方で、寸法安定性や耐朽性に配慮した材料を採用し、適切な乾燥・清掃を行えば、補修頻度を抑えられる可能性があります。

そのため、サウナ用木材は「1立方メートルあたりの価格」ではなく、「施設を何年間、どの状態で運営できるか」で比較することが大切です。


木材専門会社としてお伝えしたいこと

サウナ用木材のトラブルは、木材の品質だけが原因とは限りません。

実際には、

  • 樹種の選定
  • 木材の乾燥状態
  • 使用部位に対する断面寸法
  • 下地構造
  • 換気計画
  • 清掃方法
  • 営業後の乾燥時間

が複合的に関係しています。

山一製材株式会社は、1952年の創業以来、木材を専門に取り扱ってきました。

サウナ用木材「サーモひのき」は、高級ホテル、宿泊施設、温浴施設、スポーツクラブ、公共施設、客室プライベートサウナなど、さまざまな施設へ納材しています。

サウナプロデュース会社との共同監修を行い、単に木材を販売するだけでなく、設計・施工条件に応じた材料選定や規格提案にも対応しています。

また、クリーンウッド法に基づく登録木材関連事業者として、合法性が確認された木材の流通にも取り組んでいます。

サウナ用木材を選ぶ際は、商品名や価格だけでなく、使用部位、納まり、維持管理まで相談できる供給会社を選ぶことも重要です。


よくある質問

Q1. サウナ室に普通の国産ヒノキは使用できますか?

使用できます。

国産ヒノキは、香り、木目、加工性に優れ、昔から浴室や温浴施設でも使われてきました。

ただし、高温のサウナ室では、ヤニ、反り、収縮、黒ずみが発生する可能性があります。

使用頻度の高い商業施設では、無処理材と熱処理材の特徴を比較したうえで選定することをおすすめします。


Q2. サーモひのきは薬剤を使用していますか?

サーモひのきは、高温の水蒸気によって熱処理する木材であり、防腐薬剤を注入する処理ではありません。

ただし、施工時に使用する接着剤、塗料、清掃剤などは別途確認が必要です。

サウナ室で使用する副資材についても、高温環境への適合性を確認してください。


Q3. サーモひのきは壁・天井・ベンチのすべてに使えますか?

壁、天井、ベンチ、スノコ、かまち、枠材、下地、見切材など、幅広い用途に使用できます。

ただし、部位ごとに適切な厚み、幅、下地間隔、固定方法が異なります。

設計図面や使用箇所を確認したうえで、適切な規格を選定する必要があります。


Q4. サーモひのきはまったく反りませんか?

天然木である以上、反り、割れ、収縮が完全になくなるわけではありません。ただし無処理木材に比べ格段に寸法安定性は向上しています。


Q5. 黒ずみやカビは完全に防げますか?

完全に防ぐことはできません。

熱処理によって吸湿性や耐朽性が向上しても、水分や汚れが残り、換気が不十分であれば黒ずみやカビが発生する可能性があります。

日常清掃、営業後の乾燥、換気、定期点検が重要です。


Q6. ベンチ材が熱くなり、火傷することはありませんか?

木材は金属や石材と比較すると熱伝導率が低く、ベンチ材として適した素材です。

ただし、室温、木材表面温度、接触時間、利用者の体調によって感じ方は異なります。

ビスや金物が露出していると高温になりやすいため、肌に触れない納まりにする必要があります。


Q7. サウナ用木材に塗装は必要ですか?

必ずしも必要ではありません。

ベンチや背もたれなど、人の肌が直接触れる部分では、無塗装で使用されるケースが多くあります。

塗装する場合は、サウナ用途、高温環境、人体接触への適否を確認し、塗料メーカーの施工方法を守ってください。

一般的な屋外木部用塗料を安易に使用することは避けるべきです。


Q8. 設計段階で材料の相談はできますか?

可能です。

サウナ室の図面、使用部位、必要数量、希望する仕上がり、開業時期などを確認し、適切な規格や数量の検討を行います。

早い段階で相談することで、納期、規格、納まり、コストを調整しやすくなります。


Q9. サンプルで色や木目を確認できますか?

無償のカットサンプル材をご用意しております。サンプルで木目のイメージや色味や質感を確認いただくことをおすすめします。

施工事例ページにて、実際の仕上りのイメージも写真でご確認いただけます。

「サーモひのき」施工事例ページ


Q10. リフォームや部分改修にも使用できますか?

使用できます。

既存サウナ室の壁、天井、ベンチ、スノコなど、一部のみを交換することも可能です。

ただし、既存材との色差、厚み、下地状態、換気、腐朽範囲を確認する必要があります。

表面だけを交換しても下地が劣化している場合があるため、解体時の点検が重要です。


まとめ|サウナ用木材は完成時より数年後を見据えて選ぶ

サウナ用木材に必要なのは、完成直後の美しさだけではありません。

高温・高湿環境で使用を続けた数年後も、

  • 安全に利用できる
  • 反りや割れが少ない
  • 清潔感を保ちやすい
  • 補修や交換がしやすい
  • 設計時の意匠を維持できる

ことが重要です。

サーモひのきは、国産ヒノキの木目、香り、肌触りを生かしながら、サーモウッド処理によって耐朽性や寸法安定性を高めたサウナ用木材です。

無処理ヒノキ、スギ、レッドシダー、アスペン、スプルース、輸入熱処理材には、それぞれ異なる長所があります。

そのため、施設のコンセプトや予算、使用頻度、維持管理体制に応じて、公平に比較することが大切です。

そのうえで、

  • 国産材を使用したい
  • ヒノキらしい意匠性を生かしたい
  • ヤニや黒ずみを抑えたい
  • 寸法安定性を重視したい
  • ホテルやスパにふさわしい高級感を求めたい

という施設では、「サーモひのき」が有力な選択肢の一つになります。

サウナ用木材は、木材だけで性能が決まるものではありません。

設計、施工、換気、清掃、メンテナンスまで含めて検討することが、長く愛されるサウナづくりにつながります。


サウナ用木材「サーモひのき」のご相談・お見積り

サウナ室の設計・新築・改修に合わせて、壁、天井、ベンチ、スノコ、かまち、枠材などの材料選定をお手伝いしています。

次のようなご相談にも対応しています。

  • 設計図面をもとに使用部位を相談したい
  • サウナ用木材の数量を拾い出してほしい
  • 無処理ヒノキや輸入材と比較したい
  • ベンチ材だけ見積りを取りたい
  • 壁・天井・スノコをまとめて検討したい
  • サンプルで色味や木目を確認したい
  • 改修工事に適した規格を相談したい
  • 納期や在庫状況を確認したい

施設名や計画内容が確定していない段階でもご相談いただけます。

サウナの用途、規模、希望納期、図面、必要部位など、現時点で分かる範囲をお知らせください。

サウナ用木材「サーモひのき」の資料請求・サンプル・お見積りは、お問い合わせフォームからご依頼ください。


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