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薬剤処理木材とサーモ処理木材の違いとは?サウナ用木材

サウナ用木材を選ぶ際は、「薬剤処理木材」と「サーモ処理木材」の違いを理解することが重要です。

どちらも耐久性を高めるための技術ですが、その仕組みや安全性、使用環境への適性は大きく異なります。

特に高温・高湿度となるサウナ室では、人が直接触れる壁・天井・ベンチ・スノコなどに使用する木材だからこそ、安全性や寸法安定性、耐朽性、メンテナンス性まで総合的に判断する必要があります。

この記事では、木材専門会社として多数のサウナ施設へ納材してきた経験をもとに、「薬剤処理木材」と「サーモ処理木材」の違いを設計者・施工会社・施設オーナーにも分かりやすく解説します。

サーモひのきを使用した高級感のあるサウナ室内
上質な木目と間接照明が高級感を演出します。

この記事の要点

  • 薬剤処理木材は薬剤を木材内部へ浸透させて耐久性を高める方法
  • サーモ処理木材は高温熱処理のみで耐久性・寸法安定性を向上させる技術
  • サウナでは高温環境のため、薬剤を使用しない材料が選ばれることが多い
  • サーモ処理木材はヤニや黒ずみを抑え、美観を長期間維持しやすい
  • 木材の選定では耐久性だけでなく、安全性・メンテナンス性・施工性まで比較することが重要

この記事はこのような方におすすめです

  • サウナ施設を設計している建築士
  • サウナ施工会社
  • 温浴施設オーナー
  • ホテル・旅館の設備担当者
  • 工務店・ゼネコン
  • 木材選定を行う設計事務所

目次

  1. 薬剤処理木材とは?
  2. サーモ処理木材とは?
  3. 薬剤処理木材とサーモ処理木材の違い
  4. サウナに適しているのはどちらか
  5. 設計・施工時の注意点
  6. よくある施工ミス
  7. まとめ
  8. FAQ

薬剤処理木材とは?

薬剤処理木材とは、防腐・防蟻性能を高めるために、専用の薬剤を木材内部へ加圧注入した木材です。

住宅の土台や外構、フェンス、デッキ、土木資材など、雨水やシロアリの影響を受けやすい場所で広く利用されています。

木材そのものの性質を変えるのではなく、防腐・防蟻成分を木材内部へ浸透させることで耐久性を高める仕組みです。

薬剤処理木材の主な特徴

  • 防腐性能が高い
  • 防蟻性能が高い
  • 屋外利用に適している
  • 薬剤を木材内部へ注入している
  • 住宅土台などで広く採用されている

近年使用されている保存処理薬剤は安全性への配慮が進んでいますが、使用環境に応じた材料選定が重要です。特に人が素肌で長時間触れる用途や、高温環境で使用する用途では、耐久性だけでなく用途への適合性も検討する必要があります。


サーモ処理木材とは?

サーモ処理木材の仕組み
高温熱処理による性能向上

サーモ処理木材(サーモウッド)は、薬剤を使用せず、高温の熱と水蒸気のみで木材を処理する技術です。

約180〜220℃の高温環境で熱処理を行うことで、木材内部の性質が変化し、寸法安定性や耐朽性の向上が期待できます。

化学薬品を使用しないため、木材本来の風合いを活かしながら性能を向上できる点が特徴です。

サーモ処理木材の主な特徴

  • 薬剤を使用しない
  • 高温熱処理のみで性能を向上
  • 寸法安定性が高い
  • 反り・ねじれ・収縮を抑制しやすい
  • ヤニの発生を抑えやすい
  • 黒ずみが起こりにくい
  • 美観を維持しやすい

サウナ室では、高温・高湿度の環境下で木材が繰り返し膨張・収縮します。そのため、寸法安定性の高いサーモ処理木材は、壁材・天井材・ベンチ・スノコなど幅広い部位で採用されています。

また、薬剤を使用しないことから、サウナだけでなく、天然木の質感や香りを重視する空間づくりにも適しています。


なぜサウナではサーモ処理木材が選ばれることが多いのか

サウナ室は一般的な住宅とはまったく異なる環境です。

室温は80〜100℃程度、ロウリュを行う施設では一時的に湿度も大きく上昇します。このような環境では、木材には次のような性能が求められます。

  • 反りや割れが起こりにくいこと
  • ヤニの発生が少ないこと
  • 美観が長期間維持できること
  • 香りが良いこと
  • 人体が触れても快適であること
  • メンテナンスしやすいこと

これらを総合的に考えると、サーモ処理木材はサウナ用途との相性が良く、国内外で採用事例が増えています。

特に国産ヒノキを熱処理した「サーモひのき」は、ヒノキ本来の香りに加え、熱処理による寸法安定性や耐朽性の向上が期待できることから、高級ホテルや旅館のプライベートサウナ、温浴施設、スポーツクラブ、公共施設など、さまざまなプロジェクトで採用されています。


薬剤処理木材とサーモ処理木材を比較|サウナ用木材として重要なポイント

薬剤処理木材とサーモ処理木材は、どちらも木材の耐久性を高める技術ですが、目的や性能、適した用途は異なります。

サウナ用木材を選定する際は、耐久性だけではなく、高温・高湿度環境での寸法安定性、安全性、メンテナンス性まで総合的に比較することが重要です。

比較項目薬剤処理木材サーモ処理木材
耐久性
耐朽性
防蟻性
薬剤使用△あり◎なし
寸法安定性
反り・ねじれ抑制
ヤニの発生木材による少ない
黒ずみ抑制木材による
サウナ用途

薬剤処理木材は、防腐・防蟻性能を重視する屋外用途に優れています。一方で、サウナ室のように人が素肌で触れ、高温環境となる空間では、寸法安定性やヤニの発生抑制、香り、美観の維持なども重要な評価項目になります。

薬剤処理木材とサーモ処理木材の比較
安全性・耐久性・寸法安定性などを一覧比較

サウナ用木材で重視すべき5つの性能

サウナ室の木材は、一般的な内装材とは求められる性能が異なります。設計段階では、次の5項目を重点的に確認することをおすすめします。

① 寸法安定性

サウナ室では温度と湿度が繰り返し変化します。そのため木材は膨張・収縮を繰り返し、反りや割れが発生する可能性があります。

サーモ処理木材は熱処理により吸湿性が低減されるため、寸法変化が少なく、美しい仕上がりを維持しやすいことが特長です。

② 耐朽性

ロウリュを行うサウナでは、木材が繰り返し湿気にさらされます。

耐朽性の高い木材を選ぶことで、腐朽菌による劣化を抑え、長期間にわたって健全な状態を維持しやすくなります。

③ ヤニの発生

ヒノキやスギなどの針葉樹は、加熱されることでヤニが表面へ出る場合があります。

ヤニは見た目だけでなく、利用者が触れた際の不快感や清掃の手間につながるため、サウナ施設ではできるだけ抑えたい要素の一つです。

サーモ処理によってヤニの発生は抑制される傾向があります。

④ メンテナンス性

商業施設では営業を止めずに維持管理できることも重要です。

黒ずみや変色が少なく、清掃しやすい木材は、長期的な維持管理コストの低減にもつながります。

⑤ 安全性

サウナ室では、利用者がベンチや壁材に直接触れます。

そのため、使用環境に適した材料を選び、メーカーの施工基準や設計条件を確認することが重要です。


設計段階でよくある失敗例

サウナ設計でよくある失敗例
反り・結露・換気不足など代表的な施工ミスを比較。

材料選定だけでなく、設計や施工方法によってもサウナの耐久性は大きく変わります。

失敗例① 通気層が確保されていない

壁体内の湿気が排出されず、結露や木材の劣化につながる可能性があります。

対策

  • 適切な通気層を設ける
  • 防湿シート・断熱材を適切に配置する
  • 換気計画まで含めて設計する

失敗例② 鉄ビスを使用する

一般的な鉄ビスは、高湿度環境ではサビが発生しやすく、木材の汚れや固定力低下につながることがあります。

対策

  • ステンレス製ビスを使用する
  • ビスピッチを均等にする
  • 下穴加工を行い施工精度を高める

失敗例③ 木口処理を行わない

木口は水分を吸収しやすく、劣化が進みやすい部分です。

対策

  • 木口を保護する
  • 納まりを工夫して水が溜まらない設計にする

失敗例④ 排水計画が不十分

床に水が滞留すると、木材だけでなく下地にも負担がかかります。

対策

  • 床勾配は1〜2%を目安に設計する
  • 排水口周辺の清掃性も考慮する

実務では「材料性能」と「施工品質」の両方が重要

耐久性の高い木材を採用しても、施工方法が適切でなければ十分な性能を発揮できません。

例えば、寸法安定性に優れたサーモ処理木材でも、ビス位置が不適切であったり、通気不足であったりすると、長期的には不具合につながる可能性があります。

逆に、設計・施工が適切であれば、木材本来の性能を十分に引き出すことができ、メンテナンス負担の軽減や長寿命化にもつながります。


木材専門会社からの実務アドバイス

サウナ施設への納材では、設計図面の段階から木材寸法や納まりについて相談を受けることが少なくありません。

実際には、材料選定だけでなく、以下のようなポイントを事前に確認することで施工後のトラブル防止につながります。

  • 壁・天井・ベンチで使用する部材を使い分ける
  • 下地寸法とビスピッチを事前に確認する
  • 熱膨張を考慮したクリアランスを確保する
  • 搬入経路や部材長さも設計段階で確認する
  • 特注寸法が必要な場合は早めにメーカーへ相談する

サウナ用木材「サーモひのき」は、壁材・天井材・ベンチ材・スノコ・かまち・枠材など用途ごとの製品ラインアップが用意されており、設計条件に応じた提案が可能です。

また、高級ホテルや旅館、温浴施設、スポーツクラブ、公共施設など数多くの納材実績をもとに、設計段階から材料選定をサポートしています。


用途別|薬剤処理木材とサーモ処理木材はどちらを選ぶべき?

薬剤処理木材とサーモ処理木材は、どちらが優れているというものではなく、使用する場所や求める性能によって最適な材料は異なります。

設計段階では、耐久性だけではなく、安全性・寸法安定性・メンテナンス性・利用環境を総合的に判断することが重要です。

用途推奨される木材理由
サウナ室(壁・天井)◎ サーモ処理木材寸法安定性・ヤニ抑制・美観維持に優れる
サウナベンチ・スノコ◎ サーモ処理木材人が直接触れるため安全性やメンテナンス性が重要
住宅土台◎ 薬剤処理木材防腐・防蟻性能を重視
屋外フェンス○ 用途に応じて選択耐候性・デザイン・維持管理で判断
デッキ下地◎ 薬剤処理木材腐朽・シロアリ対策を優先
高級サウナ・ホテル◎ サーモ処理木材意匠性・香り・高級感・長期美観を重視

このように、それぞれの木材には得意とする用途があります。サウナでは「高温・高湿度」という特殊な環境に適した材料を選定することが、長期的な品質維持につながります。


木材専門会社としておすすめする材料選定の考え方

木材選びでは、「耐久性が高い」という一点だけで判断するのではなく、建物全体の使用環境やメンテナンス計画まで含めて検討することが重要です。

サウナ施設では、次のような考え方をおすすめしています。

  • 人が直接触れる部位は安全性・快適性を重視する
  • 高温による反りや割れを考慮し、寸法安定性の高い材料を選ぶ
  • 清掃や維持管理のしやすさを確認する
  • 施工実績が豊富なメーカーへ相談する
  • 壁・天井・ベンチ・スノコなど用途ごとに適切な部材を選ぶ

初期費用だけで判断すると、将来的な補修や交換費用が増えることもあります。ライフサイクルコストまで含めた比較検討が、結果としてコストパフォーマンスの向上につながります。


サウナ用木材「サーモひのき」という選択肢

サウナ用木材にはさまざまな種類がありますが、その中でも「サーモひのき」は、国産ヒノキを高温熱処理したサウナ専用木材です。

薬剤を使用せず、水蒸気によるサーモ処理を施すことで、耐久性や寸法安定性の向上が期待でき、ヤニや黒ずみも抑えられます。

また、ヒノキならではのやさしい香りや質感を活かせるため、高級ホテルや旅館のプライベートサウナ、温浴施設、スポーツクラブ、公共施設、自衛隊・米軍基地内サウナなど、多くの採用実績があります。

設計段階から納まりや部材選定について相談できることも、専門メーカーならではのメリットといえるでしょう。

サウナ用木材「サーモひのき」の画像
高級感あふれる褐色のサウナ用木材「サーモひのき」

まとめ

薬剤処理木材とサーモ処理木材は、どちらも木材の耐久性を高める技術ですが、その考え方や適した用途は大きく異なります。

  • 薬剤処理木材は防腐・防蟻性能を重視する屋外用途に適している
  • サーモ処理木材は薬剤を使用せず、高温熱処理で性能を向上させる
  • サウナでは寸法安定性・安全性・ヤニ抑制・美観維持が重要
  • 施工品質まで含めて検討することが長寿命化につながる
  • 材料選定はライフサイクルコストで比較することが大切

サウナ施設は一度施工すると簡単には改修できません。設計段階から適切な木材を選ぶことが、快適性・耐久性・維持管理のしやすさにつながります。


よくある質問(FAQ)

Q. サーモ処理木材とは何ですか?

A. 高温と水蒸気のみで木材を処理し、寸法安定性や耐朽性の向上を図る技術です。薬剤は使用しません。

Q. 薬剤処理木材は危険ですか?

A. 現在流通している保存処理木材は法令や規格に基づいて製造されています。ただし、使用環境に応じて適切な材料を選定することが重要です。

Q. サウナにはどちらが適していますか?

A. 高温・高湿度環境では、寸法安定性やヤニ抑制、美観維持などの観点からサーモ処理木材が採用されることが多くあります。

Q. サーモ処理木材は屋外でも使用できますか?

A. 使用条件によります。用途や納まりに応じて適切な樹種や仕様を選ぶことが重要です。

Q. サーモひのきはどの部位に使用できますか?

A. 壁・天井・ベンチ・スノコ・かまち・見切材・枠材など、サウナ室内のさまざまな部位に対応しています。

Q. 特注寸法にも対応できますか?

A. 特注加工が可能な場合があります。設計図面の段階から相談することで、スムーズな対応につながります。


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