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コラム
サーモウッドと未処理材の違いとは?サウナ用木材を徹底比較
この記事の要点
サウナ用木材を選ぶ際は、初期価格だけでなく、耐久性・寸法安定性・メンテナンス性まで含めて比較することが重要です。
特に高温・高湿環境となるサウナでは、一般的な未処理材とサーモウッドでは長期性能に大きな違いが生まれます。
この記事では、
- サーモウッドとはどのような木材か
- 未処理材との違い
- サウナで差が生まれる理由
- 設計時に重視すべきポイント
- 材料選定で失敗しないための考え方
を木材専門会社の視点から分かりやすく解説します。
結論
サウナ用木材として重要なのは、「天然木であること」だけではありません。
高温・高湿・乾燥を何度も繰り返すサウナでは、
- 寸法安定性
- 耐朽性
- ヤニの少なさ
- 黒ずみの起こりにくさ
- メンテナンス性
が施設の品質を左右します。
サーモウッドは、薬剤を使用せず高温・水蒸気で熱処理することで木材内部の性質を改善し、未処理材と比較してこれらの性能向上が期待できる材料です。
一方で、用途や施工方法によって適切な材料選定は異なるため、材料特性を理解したうえで設計することが重要です。
目次
- サーモウッドとは
- サーモウッドと未処理材の違い
- 比較表で分かる性能差
- なぜサウナでは違いが大きくなるのか
- 設計者が知っておくべき材料選定のポイント
- 施工現場で起こりやすい失敗
- メンテナンスとライフサイクルコスト
- サーモひのきという選択肢
- FAQ
- まとめ
サーモウッドとは?
サーモウッドとは、木材を高温と水蒸気によって熱処理した木材の総称です。
防腐剤などの薬剤を木材へ注入するのではなく、熱によって木材内部の性質を変化させることで、天然木の質感を保ちながら性能向上を目指した材料として利用されています。
サウナ、外壁、デッキ、ルーバーなど、過酷な環境での利用が増えている理由もここにあります。
熱処理によって期待できる代表的な特徴は次のとおりです。
- 寸法変化が小さい
- 含水率が安定しやすい
- 耐朽性の向上が期待できる
- ヤニの発生を抑えやすい
- 黒ずみの発生を抑えやすい
- 美しい褐色の外観
これらは特に高温環境となるサウナで大きなメリットになります。

サウナ用木材に求められる性能とは?
サウナは住宅とは全く異なる環境です。
室温は80〜100℃前後、ロウリュ時には急激な湿度変化が発生します。
この環境では木材は
- 膨張
- 収縮
- 含水率変化
を何度も繰り返します。
そのため、一般的な内装材では問題なく使用できても、サウナでは次のような不具合が発生することがあります。
- 羽目板の反り
- ベンチ材の割れ
- スノコの変形
- ビス周辺の割裂
- 木口からの劣化
- ヤニの発生
- 表面の黒ずみ
つまり、サウナでは「木材そのものの品質」が長期的な快適性を左右します。
サーモウッドと未処理材の違い
もっとも大きな違いは、木材内部の水分挙動にあります。
未処理材は周囲の湿度変化の影響を受けやすく、
- 湿気を吸う
- 乾燥する
を繰り返します。
その結果、
- 反り
- 曲がり
- 伸縮
- 割れ
が起こりやすくなります。
一方、サーモウッドは熱処理により木材内部の性質が変化するため、水分の影響を受けにくくなり、寸法安定性の向上が期待できます。
これはサウナだけでなく、
- ベンチ
- 羽目板
- ドア枠
- スノコ
など精度が求められる部材でも大きなメリットになります。
ヤニの違い
ヒノキは香りが魅力ですが、未処理材では高温環境下でヤニが発生することがあります。
ヤニは
- 衣類への付着
- 見た目の悪化
- 清掃負担
につながります。
熱処理を施したサーモウッドでは、このヤニの発生が抑えられる傾向があり、美観維持やメンテナンス性の面で有利とされています。
黒ずみの違い
サウナでは汗や湿気により黒ずみが発生することがあります。
黒ずみは木材自体の耐久性だけでなく、施設全体の印象にも影響します。
サーモウッドは木材内部の変化により、未処理材と比較して黒ずみの進行を抑えやすい傾向があり、長期間にわたり落ち着いた木目を維持しやすい点が評価されています。
サーモウッドと未処理材の比較表

| 比較項目 | サーモウッド | 未処理材 |
|---|---|---|
| 寸法安定性 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| 耐朽性 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| ヤニの発生 | ★★★★★(少ない) | ★★☆☆☆ |
| 黒ずみ | ★★★★★(起こりにくい) | ★★☆☆☆ |
| 耐久性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| メンテナンス性 | ★★★★★ | ★★☆☆☆ |
| 美観維持 | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 薬剤使用 | なし(熱処理) | なし |
※評価は一般的な特性をもとにした比較であり、樹種・施工方法・使用環境によって異なります。
なぜサウナでは違いが大きくなるのか
住宅の内装とサウナでは、木材にかかる負荷が大きく異なります。
サウナ室では、高温・高湿・乾燥が短時間で繰り返されます。
この急激な環境変化によって、木材は絶えず膨張と収縮を繰り返します。
その結果、寸法変化が大きい木材では、わずかな反りや割れが積み重なり、羽目板の隙間やベンチのガタつき、スノコの変形などにつながることがあります。
一方で、寸法安定性に優れたサーモウッドは、こうした環境変化の影響を受けにくく、施工直後の美観や納まりを長期間維持しやすいことが期待されます。
そのため、近年ではホテル、温浴施設、スポーツクラブ、プライベートサウナなど、メンテナンス性や意匠性が重視される施設で採用される機会が増えています。
設計時に押さえておきたいサウナ用木材のポイント
サウナ用木材を選定する際は、材料そのものの性能だけでなく、施工方法や納まりまで含めて計画することが重要です。
どれほど性能の高い木材でも、施工方法を誤れば耐久性や美観を十分に発揮できません。
設計段階では、次のポイントを確認しておくことをおすすめします。
木材の伸縮を考慮した設計
木材は天然素材であるため、サーモウッドであっても温度や湿度によってわずかに伸縮します。
そのため、
- 羽目板同士のクリアランス
- 壁と天井の取り合い
- 木口部分の逃げ
- ドア枠との取り合い
などを適切に計画することが重要です。
過度に隙間をなくそうとすると、膨張時に突き上げが発生し、反りや割れの原因となる場合があります。
通気と乾燥を妨げない構造
サウナ室では、使用後に木材内部の湿気を適切に放散できる構造が求められます。
そのため、
- 通気層を設ける
- 胴縁を適切な間隔で配置する
- 排気・給気計画を考慮する
などの工夫が重要です。
特に壁や天井では、木材の裏側に湿気が滞留しない構造とすることで、長期間にわたり安定した状態を維持しやすくなります。
金物はステンレス製を推奨
サウナ内部は高温多湿であるため、鉄製ビスでは錆が発生する可能性があります。
錆は木材の変色や美観の低下だけでなく、耐久性にも影響を及ぼします。
そのため、
- ステンレスビス
- ステンレス金具
を使用することが一般的です。
サウナ施工でよくある失敗例

サウナ施工では、材料選定よりも施工方法によるトラブルの方が多いケースも少なくありません。
代表的な失敗例を紹介します。
失敗例① 未処理材をそのまま使用する
コストを抑えるために一般的な内装用ヒノキ材やスギ材を使用すると、
- 反り
- 割れ
- ヤニ
- 黒ずみ
が想定より早く発生することがあります。
特に商業施設では営業への影響も大きいため、長期的な視点で材料を選定することが重要です。
失敗例② 木口を保護しない
木材は木口から水分の出入りが多くなります。
そのため、
- 木口保護
- 木口シール
- 適切な納まり
を行わないと、割れや劣化が進みやすくなります。
失敗例③ 通気層を設けない
木材の裏側に湿気がこもると、
- カビ
- 黒ずみ
- 劣化
の原因になります。
壁・天井ともに通気性を考慮した設計が重要です。
失敗例④ 交換できない納まり
商業施設では10年、20年と使用されるケースも多くあります。
部分補修ができない構造では、軽微な損傷でも大掛かりな改修が必要となる場合があります。
ベンチ材やスノコなどは、将来的な交換を想定した納まりとしておくことが望ましいでしょう。
サウナ施工の実務ポイント

施工現場では、美観だけでなく施工性も重要です。
木材専門会社として推奨する施工手順は次のとおりです。
- 下地確認
- 墨出し
- 胴縁施工
- 通気層確認
- 羽目板仮並べ
- 下穴加工
- ステンレスビス固定
- 木口処理
- 清掃・仕上げ確認
特に天然木は木目や色合いが一枚ごとに異なるため、施工前に仮並べを行い、全体のバランスを確認することで、美しい仕上がりにつながります。
ライフサイクルコストで比較することが重要
木材選びでは、初期費用だけで判断しないことが重要です。
例えば未処理材は導入コストを抑えられる一方で、
- 補修
- 再塗装
- 部材交換
- 営業停止を伴う改修
などの維持費が発生する場合があります。
一方、サーモウッドは初期費用が高くなるケースもありますが、
- 寸法安定性
- 耐朽性
- 美観維持
- メンテナンス頻度の低減
により、長期的にはライフサイクルコストの低減につながる可能性があります。
特にホテルや温浴施設では、営業を止めることによる機会損失も考慮する必要があります。

サーモひのきという選択肢
サーモウッドにもさまざまな樹種がありますが、国産ヒノキを熱処理した「サーモひのき」は、サウナ用途を想定した材料として設計・施工会社から採用されるケースが増えています。
主な特長は次のとおりです。
- 国産ヒノキを使用
- 薬剤を使用しないサーモウッド処理
- 優れた寸法安定性
- 耐朽性の向上
- ヤニの発生を抑えやすい
- 黒ずみを抑えやすい
- 美しい褐色の外観
- 国産材ならではのやわらかな質感
壁・天井・ベンチ・スノコ・かまち・枠材・見切材など、サウナ室全体で統一感のある仕上がりを目指す際にも採用しやすい材料です。
木材専門会社だからこそ蓄積された知見
サウナ用木材は、材料性能だけでなく、実際の施工経験や施設運営後のフィードバックも重要です。
当社では創業1952年以来、木材を専門に取り扱い、近年ではサウナ用木材「サーモひのき」を通じて、ホテル・温浴施設・スポーツクラブ・プライベートサウナなど幅広い施設へ納材しています。
また、
- 星野リゾート「界 箱根」
- インターコンチネンタル大阪
- 宿泊施設の客室プライベートサウナ
- 自衛隊・米軍基地内サウナ
- 温浴施設
- スポーツクラブ
など、多様な施設で採用実績があります。
さらに、サウナプロデュース会社との共同監修による商品開発を行い、設計・施工の両面から実務的な提案を行っています。
加えて、
- クリーンウッド法 登録木材関連事業者
- 創業1952年
- 地元木材協同組合理事長
- 業界最大級の在庫体制
- 規格品の即納対応
- 多くのリピート実績
といった体制も、設計者や施工会社から信頼をいただいている理由の一つです。
まとめ
サウナ用木材は、見た目だけでなく、長期間にわたる安全性・快適性・維持管理性を左右する重要な建材です。
サーモウッドは、高温・高湿環境において寸法安定性や耐朽性、美観維持などが期待できる材料であり、サウナ施設との相性に優れています。
また、国産ヒノキを使用した「サーモひのき」は、天然木ならではの質感を活かしながら、サウナ専用木材として必要な性能を備えた選択肢の一つです。
設計段階から材料の特性を理解し、適切な施工方法や維持管理計画まで考慮することで、利用者にとって快適で長く愛されるサウナ空間づくりにつながります。
よくある質問(FAQ)
Q1. サーモウッドとはどのような木材ですか?
サーモウッドは、木材を高温と水蒸気で熱処理した木材です。薬剤を使用せず、木材内部の性質を変化させることで、寸法安定性や耐朽性の向上が期待されます。サウナだけでなく、外装材やデッキ材など過酷な環境でも広く採用されています。
Q2. サーモウッドと未処理材では、サウナでどのような違いがありますか?
サウナは80~100℃前後の高温とロウリュによる湿度変化を繰り返す特殊な環境です。
未処理材では反り・割れ・ヤニ・黒ずみが発生しやすい一方、サーモウッドは寸法安定性や耐朽性、美観維持の面で優れた特性が期待できます。
Q3. サーモひのきはどの部位に使用できますか?
主な用途は次のとおりです。
- 壁(羽目板)
- 天井
- ベンチ
- スノコ
- かまち
- 枠材
- 見切材
- 下地材
サウナ室全体を統一したデザインで施工できます。
Q4. メンテナンスは必要ですか?
天然木である以上、日常的な清掃や定期点検は必要です。
ただし、サーモひのきはヤニや黒ずみが発生しにくく、寸法変化も小さいため、未処理材と比べて維持管理の負担を軽減しやすい特徴があります。
Q5. 設計段階で相談できますか?
はい。
サウナ専用木材を取り扱う専門会社として、
- 材料選定
- 部材構成
- 推奨寸法
- 納まり
- 見積り
- サンプル提供
など、設計段階からご相談いただけます。
お問い合わせ・資料請求
サウナ用木材の選定では、樹種や価格だけでなく、施設用途や施工方法に適した材料を選ぶことが重要です。
「サーモひのき」は、国産ヒノキを使用したサウナ専用木材として、多くのホテル・温浴施設・スポーツクラブ・プライベートサウナで採用されています。
ご計画中の施設に適したご提案をご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
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